2007年10月06日

着物の洗濯 

銘仙の着物は昔の遊び着でもあり仕事着でもあり。

絹の銘仙は軽くて大胆な柄が多く、私の好きな着物です。

楽しい銘仙に出会うと必ず買ってしまう。


銘仙1この銘仙は今年の3月に出会った着物です。
古着屋さんの片隅にボロ切れのように丸めてありました。
「もしもし生きてますか?」
「おっちゃん何かようか?見ての通りピンピンしてるわ!このシミ何とかしてくれたら嬉しい!」
どうもこの銘仙はシミで困っているらしい?
持ち上げて広げると左前の白抜き部分に酷いシミが広がっていました。
「これはひどいな・・・何年寝たの?」

「アホなこと聞かんでもこのシミ見たら分かる!何十年に決まっとる。最後の記憶はBー29が家に爆弾落としてた、命からがら防空壕に逃げたのが日の目を見た最後!」
こんな会話があったのか無かったのかは別にして、
この着物を持ち帰りました。

ます洗剤で部分洗いをしてみましたが、さすがにシミはビクともしません。

次に手芸センターで売っているシミ抜きを使うと若干薄くなった様な気がしました。
しかし、着るにはまだまだ・・・

ここで暫く思案した後に
「このままでは到底着れる状態では無い・・困った」
「おっちゃんアカンのか?駄目なら切り刻まれて小物になるんか?こんなに元気にピンピンしてるのに!そんなら死んだ方がましやー!」
こんな会話があったかどうかは別にして最後の手段!

台所からキッチンハイターと綿棒を持って来て、
「少し我慢してくれるか?」
「まあ小物にされるよりましや・・」
こんな会話があったかどうかは別にして

ハイターの原液を綿棒につけて一つ一つのシミにトントンと落としていきました。

銘仙い
真っ白とはいきませんでしたが、
よく見ないと分からない程度にはなりました。

私が驚いたのは薄くなったシミではありません。
広がって染みたハイターで黒い生地の色が抜けなかった事です。

後は洗濯機で丸洗いをして終わりです。

この夏、子供達に一番人気の単銘仙になりました。

浴衣代わりに何人もの子が着て出掛けてくれました。


こんな馬鹿な染み抜きは絶対に真似しないで下さい。

ただ昔の職人は気付かない所で着る人の事を考えて、
三代先で解かれても笑われない仕事をしている事は、箪笥の着物を見て考えて下さい。

今では作れない貴重な着物をゴミにする前に、この事だけは忘れないで下さい。
posted by kiraku at 12:04| Comment(8) | TrackBack(0) | 着物を洗う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする